確かに経絡指圧の技術のなかでは、この証診断が一番難しいでしょう。しかし診断の難しさは、何も経絡指圧だけではありません。鍼灸の脈診などもマスターするまで、長年月かかると言われています。

一口に証診断と言いましても、実は幾種類ものやり方や考え方があります。日本東洋医学会で「証診断について」のシンポジウムを開いた際、何と通りもの証診断が紹介されました。つまり学術的には「証」の概念は決まってないと言うことです。

経絡指圧では患者の体に触れた時の術者の感覚や直感を大切にしています。そしてその時感じた感覚を経絡的に解釈して診断をしています。言葉で書くと少し難しいようですが、実際の要領自体は難しいものではありません。ただ経験者に手ほどきしてもらう必要はあるでしょう。