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●効果は体表の状態で判断
効果の判定はどのように行っているのでしょうか。指圧では
1.症状の変化
2.経絡の変化
3.腹部の弛緩
などを体表から観察して判断しています。こんなもので病気の良しあしが判断出来るのかと訝しく思われる方も多いと思います。とくに「レントゲンや血液検査もなしに判るはずがない。乱暴な判断ではないか」と疑問に思う方も居ると思います。実は上の疑問はかつて私自身が抱いた疑問なのです…。この疑問に答えるには、東洋医学の考え方をまず知る必要があります。
●病気は健康状態からの「ズレ」!
東洋医学では
体の中身(レントゲンの所見や血液の状態、腫瘍の有無など)がどうなっていようとも、外見から診て自然に近い状態なら可とする
と考えています。ちょっと乱暴な表現ですが、考えてみればすぐに合点が行く事です。東洋医学は今から数千年も前に出来上がった医療思想です。当時は勿論レントゲンや臨床検査機器など、内部を伺う装置はなかったわけですから、外部から病の良しあしを伺う事しか出来ませんでした。つまり外部から病を判断して治していたのです。ではどのように考えていたのかと言うことですが、これはまず健康な状態というものを規定して、病人がその健康状態からどれだけ逸脱しているかを判断していたのです。ここで注目するのは「病気」を見ているのではなくて、いわゆる「体調」を診ているという点です。健康な時の「体調」とのズレを観察し、そのズレを修正して元の体調に戻す。これが東洋医学流の発想でした。したがって病気は何だって良いのです。
●東洋医学は病的な「状態」を改善
キザな表現で言えば西洋医学は体の構造的な変調(腫瘍があったとか、血液成分が違うとか)を対象としているのに対し、東洋医学は体の機能的な変調(脈が弱いとか、呼吸に力がない、皮膚の弾力が低下しているとか)を対象にしているという事でしょう。ですから治療にしても西洋医学では病的な「モノ」を排除して自然な構造に戻すことが治療になりますし、反対に東洋医学では病的な「状態」を改善して自然な状態に戻すことが治療になるという事です。このように医療思想の原点が違っていますから、アプローチも全く違ったものになるのは当然ですよね。
●治療は「体力」と「病気」との戦い
「でも病的なモノ(骨や臓器などの異常)が病的な不快症状を作っているのであって、それを無視して状態だけを改善するなんて不可能なのでは」とお考えの方もいるでしょう。確かにそれも一理あるのですが、東洋医学では「病気を克服するのは、その人の体力(俗にいう『自然治癒力』)。従って自分の力が病の力を上回った時、病は自然に回復するのだ」と考えているのです。「漢方医学は『病気』と『肉体』との戦争だ」と形容される意味はここにあります。それじゃ、どうやって体力を上げて行くのかとなりますが、それが東洋医学の各種アプローチです。そしてその体力回復のための指標は体内を覗かなくとも、体表を観察するだけで十分把めると言っているわけです。ちょっと長くなりましたが、何となくご理解戴けたでしょうか。
●指圧で「体力」をつける
この東洋医学を指圧と置き換えて読み返しますとこうなります。指圧の効果は病人自身の体力(回復力)に負うということ。病気は体力が上がっていれば治るし下がっていれば治らない。指圧はその体力に活を入れて体力を上げてやる療法です。この「体力」を病人の感覚で言えば「体調」という事になるのです。すなわち体力がつけば、体調が良くなり、症状も軽快するという原理です。そして体調変化の指標が冒頭に上げた「症状、経絡、腹部」の変化なのです。この程度の指標で大丈夫なのかとの不安もあると思いますが、これまでの経験から言って大丈夫です。
効果の点ですが、この指圧はかなりの効果がありました。とくに健康と病気の中間点にいる人には時として著効があります。この指圧のいい点は西洋医学的に治療アプローチが不明な病気でも、手をつける事ができると言う点です。理由はすでにお解かりのように、症状を経絡の歪みとして捉えるからです。また指圧そのものがスキンシップ療法の役目を果たしていますので、精神療法的な効果も大です。
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